あの日

ダンボールに囲まれながらの日々を引っ越しまでにする事になりそうですが、日に日に殺風景になって行く部屋を見ると、この部屋に引っ越して来た日を思い出します。色々な事が大変で、落ち着かずにスーツケースで常に移動していました。丁度舞台前で毎日リハや仕事、ろくにご飯も作れず外食で疲れていました。だけど舞台をやる事で凄く救われました。裕子姉ちゃんが用意してくれたご飯を前に、溜まっていた涙が溢れ出て来た時もありました。
ドアノブにかかっていたご飯の美味しさも思い出しています。
そんな中1日で決めた部屋がこの部屋。今までの家と違って随分小さいけど、又私に安らぐ時を与えてくれました。そして又この部屋で沢山の経験や感情を体験させて貰いました。

段々物が取り払われて行くと、部屋本来の形が戻って来て、余計にあの最初の日を思い出します。
あの日から私は、この部屋に自分なりの命を与えて与えられながら生活して来たんだなぁと何だかしみじみ思います。
そして人生も又、自分が出すエネルギーに共鳴され、自分も共鳴し、個々を確立し生き、生かされながら歩んで行くんだなぁと。

そんな事を感じる午後。
だから早く掃除しなさいって言いたいでしょ?(笑)